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放射線科

MRI 業務内容

MRI【 Magnetic Resonance Imaging(磁気共鳴画像) 】は、磁気と電波を利用し、多方向の断層画像を得ることができる撮像方法です。

  • 脳梗塞や脊椎、関節など造影剤を使わない”単純撮影”と腫瘍や炎症などより詳しく検査するための造影検査があります。
  • X線を使いませんので、放射線被ばくはありません。

当院MRIの紹介

当院では最新鋭のシーメンス社製3.0TMRI装置【MAGNETOM Skyra】が平成27年3月から稼働しています。

従来の1.5テスラ装置と比較して、豊富なアプリケーションにより短時間かつ診断能力の高い画像を提供することが可能となりました。また、装置は70cmのトンネル開口径をもち、従来よりも格段に広く圧迫感が軽減され、より静かな検査(撮影法による)、動きによる画像への影響を抑えることが可能となりました。


1.5 テスラMRI装置の脳血管画像

3.0 テスラMRI装置の脳血管画像

体格の良い患者様でも、快適な検査環境

70cmのオープンボア(穴の直径)で検者に与える安心感や快適性がもたらす体動の減少や、重傷や肥満、脊柱後弯など特殊ニーズを抱える被検者への対応、アクセス性の確保など、MRI検査の可能性を大きく拡げます。

アプリケーションの充実

“体動補正”や”静音化”が一部可能

特に”動き”や”騒音”を抑えたい小児・検査に最適です

体動補正

体動補正前
体動補正

静音化

従来

最大瞬間騒音レベル 98.5db
※下の音声データは従来の騒音です

Quite suite(静音化)

最大瞬間騒音レベル 73.1db
※下の音声データはQuite suite(静音化)の騒音です

脱着式寝台

歩くのが困難な方でも寝台を近くに寄せて寝たままで撮影室に入れます。

検査紹介

頭頚部

当院は緊急MRI検査を24時間対応しています。撮影内容は【MRA,DWI(RESOLVE併用),FLAIR,T2WI,T2*など】を通常検査では約10-15分、緊急検査では約10分程度で実施しています。また急性期脳梗塞の診断に”ASL(arterial spin labeling)”法を組み合わせることで非造影で脳血流評価が可能となりました。

脳の萎縮を見る【VSRAD® 】によって、早期アルツハイマー型認知症診断の支援情報を提供することが可能となりました。脳全体の中での萎縮した脳の割合や、認知症に関連する海馬(記憶などに関わる脳の器官)の萎縮の程度を数値化して表示されます。

動脈瘤の3D-VR表示を簡便に作成する事ができます。

3D-T1(3D-VIBE)法では出血を含む不安定プラークの描出ができます。
超音波検査してでは石灰化の影響を受けますが、MRIではその影響はなくプラークの性状がより詳細に知ることができます。


前交通動脈瘤

頸動脈プラーク

胸部 (心臓・乳腺)

心臓MRI検査は息止め+心電図モニタ併用で40~60分程度の撮影を行います。動いている心臓を動画(シネ画像)として観察でき、心駆出率、拍出率、拍出量、心容積などの評価が可能です。また造影剤を用いた遅延造影(LGE)により、従来では核医学検査でしか評価できなかった心筋バイアビリティなど心臓の機能を評価でき,心筋梗塞や心筋症、サルコイドーシスの診断に有用です。T1mapping法では単純検査で心筋変性を簡便に描出でき、有用性が期待されています。

乳腺ー両側同時撮影

乳腺造影MRI検査はうつ伏せで40分程度の撮影を行います。他のモダリティに比べて、癌の検出に非常に優れ、乳癌の治療に際して広がり診断や多発などの存在診断、化学療法の治療効果判定に有用です。

乳癌は5%程度に対側にも癌が発生するといわれており、両側同時撮影が推奨されています。乳腺MRガイドラインでも撮影の標準化(1.5T以上・専用コイル・腹臥位・両側撮影・Dynamic撮影・3mm以下スライスなど)、読影はBI-RADS-MRIに基づいた診断が提唱されています。


心臓ーCine

心臓ーLGE

心臓ーT1mapping

上腹部領域

肝臓造影MRI検査は肝特異性造影剤である【EOB・プリモビスト®】を使用し、造影CTよりもHCCや肝転移など肝臓の腫瘍描出に優れた検査です。検査は息止め(場合により自然の呼吸状態で)で40分程度の撮影を行います。

膵胆管MRI検査として[3D-MRCP]では総胆管結石、胆管・膵管の拡張や狭窄などを非造影診断することができます。また[DWI]撮影では腫瘍や炎症の描出に優れており、こうした複数の画像を息止め(場合により自然の呼吸状態)で20分程度の撮影を行います。


EOB

MRCP

骨盤領域 (前立腺・女性骨盤領域)

男性骨盤領域(前立腺腫瘍や膀胱腫瘍)、女性骨盤領域(子宮卵巣病変)の局在診断としてMRI撮影を行います。特殊シーケンスとして【DWI(Zoom it),3D-T2など撮影所要時間:20分】でMRIは有用性を発揮します。単純撮影でも軟部組織のコントラスト分解能が高いため、病変の形態、性状を把握するのに非常に有効です。

特に前立腺癌の診断にはT2強調画像とDWIが重要で前立腺政権の検査前に全例実施しています。近年では画像報告データシステムが整備されつつあり、PI-RADS(前立腺)、VI-RADS(膀胱)など臨床的に意義のある癌の検出を目的に、撮影の標準化が求められています。


前立腺
子宮・卵巣

整形領域

関節領域( 上肢: 肩・肘・手 下肢: 股・膝・足) では3D撮影シーケンス【medic,DESS,VIBEなど各種所要時間:5-6分程度追加撮影】を特長とした撮影をする事で微小な骨折の骨挫傷の描出に優れており、X線撮影では診断の難しい靭帯や半月版などの組織も明瞭に描出することができます。特に手関節領域のTFCC(三角線維軟骨複合体:triangular fibrocartilage complex)の診断にMRIを用いた画像評価は欠かせません。


手関節 TFCC
膝関節

非造影血管(腎動脈・下肢血管)

非造影MRAは造影剤を用いず,被ばくのない点ではCTAより低侵襲性な検査法で動脈と静脈を選択的に描出することが可能となりました。

下肢動脈撮影は撮影シーケンス【QISS法】の導入に伴い、息止め+心電図モニタの併用で血管描出能の向上および撮影時間も総腸骨動脈分岐から足先までを20分程度で撮影できるようになりました。

下肢静脈撮影は撮影シーケンス【NATIVE法】で深部静脈血栓を非造影で描出できる画期的な方法です。また腎動脈も【NATIVE True FISP法】を用いれば非造影で撮影でき、腎機能低下の患者様にも選択できる検査としても最適です。


下肢静脈

下肢動脈

腎動脈

脊椎

頸椎・胸椎・腰椎のMRI検査ではComposing(画像合成)技術により連続性の高い全脊椎の画像が作成可能。撮影シーケンス【STIRおよびMRmyerography】で脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニア・圧迫骨折等の診断に有用です。

利点と欠点

利点

放射線被ばくがない
CT:X線を使用/MRI:電磁波(ラジオ波)を使用
骨によるアーチファクトが少ない
脳底の病変はCTよりもMRIが描出に優れる
造影剤を用いなくとも血管画像が撮影できる
MRA=MR Angiography・Venography
軟骨や靭帯など、骨以外の運動器の異常の評価に有用
 
急性期脳梗塞の診断に有用
 

欠点

撮影時間が長い
単純:約20~30分 造影最大60分
検査中の音が大きい
100dB前後の騒音=工事現場
装置の内部が暗い・狭い
直径70cm×全長約173cmのトンネル
動きに弱い
小児を対象にした検査が難しい
適応となる患者に制限がある
ペースメーカーは絶対禁忌 ※現在は条件付きで可能な製品あり

MRI検査前の注意点 - 吸着・吸引の危険 -

MRIは、常に(検査をおこなっていない時でも)静磁場という強力な磁場を発生してます。

金属類(眼鏡や時計、酸素ボンベや点滴台など)は、MRI の強力な静磁場空間では強い吸着を起こします。

重大な事故を引き起こしたり、火傷など人を傷つけたりすることさえあるので、検査を行う前に必 ず磁性体を身につけていないかの確認が必要です。

検査の際には “検査着”に着替えていただきますので、着替えやすい服装でお越しください。

危険な金属類:入れ歯・酸素ボンベ・点滴台・時計・ストレッチャー

注意喚起のポスター

MRI検査前の注意点 -原則禁忌-

植込み又は留置された医療機器等の体内での移動、故障、破損、動作不良、火傷等が起こるおそれがあり、原則禁忌です。

心臓にペースメーカーを使用している方
従来絶対禁忌だが、現在はMR対応型も登場
脳動脈にクリップのある方
クリップの種類によっては検査可能
体内に金属物が入っている方
金属の種類・部位によっては検査可能
妊娠中もしくは妊娠の可能性がある方
安全性が確立されていないため、検査不可

MR用造影剤 -副作用について-

MRI造影剤は比較的安全な薬剤ですが、以下の症状がある方には重篤な副作用につながり、使用は原則禁忌です。

気管支喘息
  • 副作用発現率3.7%
  • 副作用がない患者に比べて1.5倍高い
重篤な腎障害
  • NSF(腎性全身性線維症)の発症
  • 重篤な全身の線維性変化

※造影時は絶食が必要ですが、飲水制限はございません

MRI脳ドック

当院では脳ドックも承っております

詳しくはこちら

件数などの実績は放射線科 診療実績を参照ください

”条件付きMRI対応型ペースメーカー”について

当院でも2016年2月より施設基準を満たし、条件付きMRI対応型ペースメーカー植え込まれた患者樣に対してMRI検査を行えるようになりました。

MRI 検査を受けるための条件

MRI 検査を受けるためには、下記の条件をすべて満たす必要があります。

  • 『条件付きMRI対応ペースメーカーカード』『ペースメーカー手帳』の両方を患者本人が所持していること。ただし、当院が施設基準を取得しているデバイスメーカー(※)に限り可能です
  • 条件付きMRIペースメーカーが植え込まれて6週間以上経過していること。
  • 植え込み型心臓ペースメーカーとリードの全てが同一メーカーで条件付きMRI対応機器であること
  • その他MRI検査で禁忌となるような植え込み金属等がないこと。
(※)対応デバイスメーカーの確認やMRI検査の可否に関する詳細は一度当院へお問い合わせ下さい。

MRI 検査の実施について

MRI検査を受けるためには、適応確認のため一度循環器内科を受診し『条件付き MRI 対応のペースメーカーカード』『ペースメーカー手帳』を提示していただき、ペースメーカーのチェックを行います。上記の条件をすべて満たしている場合でも、夜間救急外来受診時など、事前の循環器内科の受診が困難な場合は、MRI検査はお受けできません。当院では循環器内科医師、臨床工学技士、放射線科医師、診療放射線技師が万全な体制で検査を行いますので安心して検査をお受けください。

ペースメーカー手帳


※植え込まれているペースメーカーの機種により、手帳の種類が異なります。

確認カード(例)